第四紀研究
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ODP日本海試料との対比に基づく男鹿半島安田海岸更新世中-後期テフラの同定と年代
白井 正明多田 隆治藤岡 換太郎
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1997 年 36 巻 3 号 p. 183-196

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抄録
秋田県男鹿半島安田海岸の上部第四系には,4枚の広域テフラ(Aso-4,Toya,Aso-3,B-Og)が報告されている.ただし,Aso-3については,各地での分布を考慮すると同定に疑問が残る.また,B-Ogについては,男鹿半島以外では発見されておらず,年代も不詳である.そこで,これら4枚のテフラについて主要元素組成を測定し,改めて同定を試みた.さらに,酸素同位体層序との対比が確立しているODP797,ODP794両コア中に挾在される600ka以降のテフラの火山ガラスについても,主要元素組成と屈折率を測定し,安田海岸で従来Aso-3とされていたテフラおよび,B-Ogに対比可能なものを見出し,その層位を検討した.その結果,安田海岸で従来Aso-3とされていたテフラはAso-1であり,年代は約255ka(酸素同位体サブステージ8b)と推定されること,またB-Ogの年代は約448ka(酸素同位体サブステージ12b)である可能性が高いことが判明した.これらの結果に基づくと,安田海岸の鮪川層基底の年代は,従来珪藻化石層序に基づき推定されていた年代より古く,約450ka以前となる.また,ステージ5に形成されたと考えられていた鮪川層と潟西層(従来の安田層)の境界の不整合の形成時期は,ToyaとAso-1の間(100~250ka)と判明した.
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