第四紀研究
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中国ロプヌール地域の第四紀環境変遷
閻 順穆 桂金Yingqing XiuZhenghong Zhao遠藤 邦彦
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1997 年 36 巻 4 号 p. 235-248

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抄録

タリム盆地の東端に位置するロプヌール低地において,K1ボーリング・コアを採取し,主として花粉分析に基づいて当地域の第四紀環境変化を明らかにした.約100mのコアは,前期更新世以来のおもに泥質堆積物からなり,深度66.2mに前期および中期更新世を分ける不整合が存在する.前期更新世のこの地域は森林-草原の環境下にあったが,中期更新世以後,砂漠-草原と砂漠環境が繰り返す環境に置き代わった.湖沼の発達はおそらく更新世初期の頃まで遡るものと考えられる.トウヒ属花粉および総樹木花粉数が前期更新世に高い出現率を示すことは,当時ロプヌール地域は比較的湿潤で,近くに森林が存在していたことを示唆する.乾燥環境は中期更新世のはじめ頃に始まり,完新世にはきわめて乾燥した条件が支配的となった.

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