第四紀研究
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第四紀後期における東南極氷床の変動と海水準変動
森脇 喜一平川 一臣中田 正夫
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1998 年 37 巻 3 号 p. 165-175

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抄録

最終氷期極相期(LGM)における南極氷床の拡大は,古気候復元モデルにしばしば用いられてきたいわゆるマキシマムモデル(Stuiver et al.,1981)よりはるかに小規模で,LGMの海水準低下への貢献もそれほど大きくなかったという知見が集積しつつある(たとえば,Colhoun et al.,1992).東南極の宗谷海岸では,40ka頃の隆起海浜地形・堆積物が完新世のそれらと同レベルに分布し,Isotope Stage3の時期には,海水準が相当に高かった可能性がある.熱帯海域だけでなく,南極ロス海や南インド洋の海底堆積物からも,その考えを支持する結果が得られている.ただし,この時期の14C年代値にはほかの測定法によるクロスチェックが必要である.最終氷期以降のグローバルな古気候復元モデルや海水準変動に関するこれまでの研究は,南極氷床が周辺の大陸棚をすべて覆ったとするLGM南極氷床像に基づいて行われてきたことを知らなければならない.

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