第四紀研究
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岐阜県上宝村福地に分布する下部更新統福地凝灰角礫岩層のファブリックと礫種組成
植木 岳雪岩田 修二塚本 すみ子
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1998 年 37 巻 5 号 p. 411-418

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抄録

岐阜県上宝村に分布する下部更新統福地凝灰角礫岩層の礫のファブリック・礫種組成と,上宝村栃尾温泉における蒲田川現河床の礫種組成を調査した.福地凝灰角礫岩層における礫種組成は,北東にある穂高岳周辺の現在の地質に相当し,笠ヶ岳周辺に分布する流紋岩類が含まれない.また,礫のファブリックによれば,東から西へあるいは北から南への古流向を示す.これらのデータから,福地凝灰角礫岩層は上高地付近から高山方面に西流する“古梓川”によって堆積したと推定され,当時焼岳周辺には現在と同様な起伏をもつ火山が存在しなかったと考えられる.

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