第四紀研究
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青森県尻屋崎の砂丘形成環境
谷野 喜久子
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2000 年 39 巻 5 号 p. 471-478

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抄録

下北半島尻屋崎に発達する田名部段丘(標高約20m)上には,西の海岸線を中心に,砂丘が分布する.この砂丘は,砂礫層とこれを覆う赤褐色火山灰が段丘端で風食を受け,ブロウアウト(風食凹地)が形成され,その後方に風成物質が堆積してできたものである.それゆえ,pH(NaF)が9.4以上で,火山灰起源と推測される69μ以下の粒子の含有量が砂丘構成物全体の約70%を占めており,一般の海岸砂丘とは性質を異にする.形成開始時期は,砂丘直下の埋没腐植層の14C年代値が8,350±165yrs BPであることから,縄文海進期に対応する.こうした砂丘は,その性質上単なるsand duneあるいはレス堆積物と区別して分類する必要があり,テフラが広く分布する日本列島ではほかにも存在する可能性がある.

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