第四紀研究
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神戸市東灘1,700mボーリングコアの火山灰層序
吉川 周作水野 清秀加藤 茂弘里口 保文宮川 ちひろ衣笠 善博三田村 宗樹中川 康一
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2000 年 39 巻 6 号 p. 505-520

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抄録

神戸市東灘区魚崎浜で掘削された東灘1,700mボーリングコアの火山灰層序を明らかにした.本コアは,基盤の花崗閃緑岩(深度1,545.7m以深)と,それを不整合に覆うK1-L層・K1-U層から構成される.淡水成のシルト・砂・砂礫主体のK1-L層(深度1,545.7~691.8m)は,朝代火山灰層に対比できるK1-1382火山灰層を挾み,大阪平野地下の都島累層と陸上部の大阪層群最下部・下部下半部に相当する.海成粘土層と淡水成の砂礫・砂・シルトの互層からなるK1-U層(深度691.8~23.3m)は,31層の火山灰層を挾み,大阪平野地下の田中累層と大阪層群下部上半部~段丘堆積層に相当する.本層中のK1-648,K1-566,K1-537,K1-488とK1-486,K1-444,K1-422,K1-351,K1-348ないしK1-347.4,K1-245,K1-223,K1-175,K1-141,Kl-101,K1-26火山灰層は,イエローIIないしIII,ピンク,光明池III,山田III,アズキ,狭山,今熊II,八町池I,八町池II,カスリ,港島I,鳴尾浜IV,八田,甲子園浜III~VI,平安神宮の各火山灰層に対比された.この火山灰対比により,19層の海成粘土層を,それぞれMa-1,Ma0,Ma0.5,Ma1,Ma1.3,Ma1.5,Ma2,Ma3,Ma4,Ma5,Ma6,Ma7,Ma8,Ma9,Ma10,Ma11(1),Ma11(2),Ma11(3),Ma12層に対比した.

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