第四紀研究
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日本におけるイネ科植物由来の植物珪酸体の有機炭素量および13C自然存在比
近藤 錬三, 岡田 英樹, 米山 忠克
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2001 年 40 巻 3 号 p. 185-192

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抄録
黒ボク土の腐植給源植物についてのより詳細な基礎的情報を得るために,わが国に自生,あるいは栽培されているイネ科植物76試料から分離した植物珪酸体の有機炭素量とその13C自然存在比(δ13C値)について,母植物のδ13C値を含めて測定した.植物から分離した植物珪酸体の有機炭素量は,最大66.9mg g-1,最少1.4mg g-1で,大多数の試料は10mg g-1乾重以下と少なかった.植物珪酸体の有機炭素のδ13C値は,C3植物(-30.3±3.0‰)とC4植物(-20.6±2.8‰)との間で有意な差が認められた.また,ほぼ類似の気候下では,土壌環境が多少異なっていても同一植物種のδ13C値の変異は小さかった.しかし,植物珪酸体に吸蔵される有機炭素のδ13C値は,それらの母植物のδ13C値に比べて,C3植物では+2.2~-5.6‰(平均-1.2‰),C4植物では-4.0~-14.0‰(平均-8.3‰)低かった.このことから,両者の植物珪酸体に含有される有機炭素には,その組成(リグニン,脂質など)の含有比率に違いがあることが推測された.
このように,植物珪酸体のδ13C値がC3植物とC4植物で特異な値を示すことは,植物珪酸体に吸蔵される有機炭素のδ13C値が黒ボク土の腐植給源植物の推定や古環境復元の手法としてきわめて有効であることを示唆している.
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