邑知平野南部地区を横断する羽咋市宿屋-本江間で,標高-60m程度までボーリング調査を実施し,下位からVI層~I層の第四紀層を認定した.V層~I層は,火山灰分析および14C年代測定による堆積年代,堆積相から推定された堆積環境および花粉分析から推定された古気候によれば,酸素同位体ステージ6~5e以降の地層である.V~I層はそれぞれステージ6~5e,5d~5b,5b~5.0,4~2,2~1に対比できる.また,これらの地層について,古気候と堆積物の構成から,堆積当時の深度と現在の分布深度を比較し,眉丈山地や石動・宝達山地に対する邑知平野の相対的な沈降の時期について検討した.その結果,眉丈山地に対する邑知平野の相対的な沈降はV層堆積後,IV層堆積以前に終了している.一方,石動・宝達山地に対する邑知平野の相対的な沈降もIV層堆積開始以降認められない.