TBBを重合開始剤としたResin-modified MTA系材料「スーパーMTAペースト」

抄録

サンメディカル株式会社では，Tri-n-butylborane(TBB)とMTAの2つの材料の特長を活かしたペーストタイプの新しいMTA系材料の開発に取り組み，2019年8月にResin-modified MTA系材料「スーパーMTAペースト」を発売した．本材は，水硬性MTA系材料とは異なり水との混和や水綿球による養生が必要なく，MTAを含むペーストを重合開始剤TBBによって重合硬化させる機構である．MTA材料に最も重要なポルトランドセメントは，日本国内で開発・合成した高純度の歯科用白色ポルトランドセメントを採用した．本材はレジン系材料ならではの簡便な操作性と辺縁封鎖性を有するだけでなく，TBBと高純度の歯科用白色ポルトランドセメントを組み合わせることで高い生体適合性を達成した材料である．