MaaS(Mobility as a Service: 複数の交通手段を1つのサービスとして捉え,シームレスにつなぐ新たな移動の概念)は,地域の課題解決,利用者ニーズの変化に伴って,必要性が増しており,日本でも近年の交通手段の多様化やIoT(Internet of Things: さまざまなモノがインターネットに接続されて情報交換をする仕組み)技術の進化によって実装が進むことが期待されている.一方,実装に向けてはさまざまな課題があり,実装が思うように進んでいない状況にある.そこで,モビリティ研究会は,インタビューを通じて自治体や企業の取り組みや課題を整理することで,MaaS社会実装に向けて何が重要なのかを明らかにすることを試みた.その結果,利害関係者が多岐にわたることによる座組(プロジェクトの体制,メンバ構成)の複雑さや,受益者に対する満足度の評価の難しさなどが改めて浮き彫りとなった.