2014 年 10 巻 1 号 p. 69-80
本稿では,対応づけの実行可能性を検討するための指標の充実を図るため,対応づけ得点の測定の標準誤差と対応づけ得点の信頼性指数を提案した.提案指標は,テスト得点の分散,信頼性係数,相関係数といった基本的な統計量を用いて容易に推定できる.データ収集デザインが単一グループデザインの場合,試験結果の基本的な分析結果から提案指標をただちに推定できる.等価グループデザインの場合でも,テスト間の相関を予想できる場合は提案指標を利用可能である.さらに,実際の大規模テストの結果と提案指標を利用し,信頼性の観点から対応づけの実行可能性について検討した数値例を示した.それらの例を通し,提案指標が対応づけ得点の信頼性評価に役立つことや,対応づけの実行可能性について様々な示唆を与えてくれることを示した.