抄録
【目的】
御旅屋(2008)は、遮光眼鏡の効果を視力の変化を指標として評価し、異なる群があることを見出した。屋外で低下した視力が遮光眼鏡の装用により通常の視力に回復する群(タイプ1)と屋外での視力低下が見られず遮光眼鏡の装用により通常より視力が向上する群(タイプ2)である。後者については室内でも羞明が生じ、視力が低下した可能性がある。
今回はこの点について検討し、併せて二つのタイプの特長を比較する。
【対象と方法】
当センターで遮光眼鏡の遮光レンズ選択を実施した19件(タイプ1:10件、タイプ2:9件)について、室内での遮光眼鏡装用による視力の変化を検討した。また、二つの群について、年齢と視力を比較した。
【結果】
1.室内での遮光眼鏡装用効果:通常の視力と遮光眼鏡室内装用時の視力を各個人で比較し、各群毎に対になったデータに対するt検定を行った。タイプ1では、通常視力の平均0.092に対して室内遮光眼鏡装用時の視力の0.089と統計的な有意差は認められない。これに対しタイプ2では、それぞれ0.028と0.066と遮光眼鏡の装用により視力が向上する(t検定p値0.00006<0.01)。
2.年齢:平均年齢がタイプ1は48.9歳、タイプ2は66.1歳となり、タイプ2の方が高齢である(平均値の片側t検定p値0.006<0.01)。
3.視力:平均視力はタイプ1の0.088にたいして、タイプ2では0.038となり、タイプ2の視力低下が顕著である(平均値の片側t検定p値0.023<0.05)。また、タイプ2では年齢と視力低下の間に相関が認められた(r=0.609,t検定p値0.047<0.05)。
なお、視力の統計的処理はlogMAR値に変換して行い、上記の値は再変換したものである。
【結論】
以上から、タイプ2については、加齢により障害が進行し、視力低下と室内での羞明が生じたことを示唆している。