シミュレーション&ゲーミング
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エネルギーシステム研究におけるゲーミングの役割
鈴木 研悟本城 慶多
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2020 年 29 巻 2 号 p. 55-65

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抄録

持続可能なエネルギーシステムを築くためには,長期的なビジョンに基づく政策的支援が欠かせない.ゲーミングは社会システムの将来を検討する手法の一つだが,エネルギー分野での活用は進んでいない.そこで本稿は,動学的最適化モデル,ゲーム理論,社会心理学実験,ゲーミングにまたがる分野横断的な文献レビューを行い,ゲーミングが既往の研究手法に対してどのような利点を持つのかを明らかにする.特に,エネルギー分野で広く用いられる動学的最適化モデルとの比較に力点を置く.レビューの結果,ゲーミングは,社会システムを互いに異なる主観的現実をもつ主体の集合として表現し,そうした多元的現実の下で望ましくない経路が選ばれる理由や,より望ましい経路をめざす方策を検討できることがわかった.この特長は,動学的最適化モデルが政策目標を最小費用で実現する理想的な経路を示すのと対照的であり,独自の仕方でエネルギー政策の立案に貢献するものと期待できる.

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© 2019 特定非営利活動法人日本シミュレーション&ゲーミング学会
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