シミュレーション&ゲーミング
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査読論文
熊本地震デジタルアーカイブとそれを活用したゲーミングの作成
黒瀬 琢也
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2020 年 30 巻 1 号 p. 55-63

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抄録

平成28年熊本地震の後,熊本県では,その被害の実情や復旧・復興過程で得たノウハウ,教訓等を整理・蓄積し,後世に遺していくため,先進事例を参考に,関連資料を収集し,公開する熊本地震デジタルアーカイブに取り組んでいる.熊本県では,その資料を活用して防災教育を行うこととしている.筆者は,その資料を活用し,行政職員の防災教育(災害対応学習)への活用を目的として,熊本地震の際の出来事を時系列に並べる「クロノロジー」など,3つのゲーミングを作成した.クロノロジーについては,行政職員を主な参加者として試行したが,参加者の属する地域や所属,その担当業務,経験年数や年齢に応じて多少の差はみられたものの,高い評価が示され,災害対応の流れを理解するための教材として有効に活用できる可能性があると考えられた.クロノロジーの活用を広めることなどにより,全国の災害対応力の一層の向上につなげていきたい.

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© 2020 特定非営利活動法人日本シミュレーション&ゲーミング学会
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