本研究は,オンラインもしくはハイブリッドで実施されるゲーミングの音にまつわる問題を明らかにし解決を試みるものである.COVID-19の感染が拡大した間,日本の大学ではオンライン講義に加え対面講義とオンライン講義を組み合わせたハイブリッド講義が実施された.参加者が全て対面で出席していない場では,質問に対して答えが返ってこない「沈黙」や複数人が同時に発言する「同時発話」など,音にまつわる問題に直面する.この音の問題は,オンライン参加者の情報へのアクセスを妨げ,そしてゲーミングの効果を低下させる.本研究はこの問題を,従来の「デジタル・ディバイド」と対比される概念として,逆デジタル・ディバイド(IDD: Inverted Digital Divide)と呼び,対面参加者とオンライン参加者の間の情報入手の格差を扱う.この音の問題を解決するため,「oVice」や高音質な音響機器を使用し,音声制御の品質向上を図った.この結果,音質やコミュニケーションが改善されていることがアンケート調査を通じて確認できたものの,根本的解決には至らなかった.同時に今回の実験を通じて,一部のゲームにおいてIDDを活かすことが可能であるということも明らかになった.