2021 年 vol.15 巻 04 号 p. 1-7
要 旨
背景:近年、心理学研究において追試を行った結果、再現性がない研究が多いことが指摘されている。本研究は海外で開発された尺度を翻訳し標準化した日本語版喫煙意思決定バランス尺度と日本語版禁煙自己効力感尺度の追試をおこない、再現性の有無、再検査信頼性を検証することを目的とした。
方法:対象者は喫煙経験者 156 名(男性 70 名、女性 86 名、平均年齢 42.58±11.51 歳)であった。再検査信頼性を測定するために 1 回目調査と 2 回目調査の間隔は 4 週間とした。
結果:先行研究と同様の因子構造や行動変容ステージの変化にともなって得点が推移することが再現された。また再検査信頼性係数は.67 ~.70 であった。
結論:日本語版喫煙意思決定バランス尺度、日本語版禁煙自己効力感尺度は再現性と信頼性を有していることが本研究より明らかになった。