【はじめに】
喫煙は、喫煙者本人の健康に影響を与えるだけでな
く、非喫煙者に対しても、受動喫煙というかたちで大き
な影響を及ぼしている。我が国でも健康増進法の成立や
たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約(以下、た
ばこ規制枠組条約)が発効されるなど、禁煙に対する取
組が始まっているが、成人の喫煙率は高く、学校や医療
機関などの受動喫煙対策は進んでいないのが現状であ
る。
そこで、たつの市揖保郡医師会は禁煙推進のために、
「禁煙プロジェクト2011」として、以下のとおり活動を
実施した。
まず、医師会会員を対象としたたばこに関する実態調
査および施設におけるたばこ環境、禁煙外来についての
実態調査を実施した。(平成23年3月)実施後、会員に調
査結果を報告し、講演「こんなに楽しい禁煙外来のノウ
ハウ」(講師 高橋裕子)を行った。さらに喫煙者(実
態調査において「吸う」と回答した会員)に対して、禁
煙資料(日本医師会、日本循環器学会作成)を配布し、
たつの市揖保郡管内の禁煙外来の案内と禁煙治療薬(ニ
コチン及びバレニクリン)の紹介を行った。喫煙経験の
ある会員(実態調査において「吸う」および「やめた」
と回答した会員)については1年後に、追跡調査を行っ
た。
また別途、教職員に対して禁煙の講演を行い、中学校1
年生に対して禁煙の教育講演と質問紙調査を行った。以
下に(1)医師会会員を対象としたたばこに関する実態
調査および施設におけるたばこ環境、禁煙外来について
の実態調査(1年後の追跡調査を含む)および(2)中学
校1年生に対して禁煙の質問紙調査の結果について報告す
る。