要 旨
目的:精神科の患者の禁煙を推進していくために、医療従事者等による禁煙支援の実施満足度が向上することを目的に禁
煙支援評価項目尺度を開発し、モデル病院での実施結果をもとに、その有効性を検証した.
方法:開発した禁煙支援評価項目尺度については、医療従事者等の禁煙支援行動の強化を図るために医療従事者によるセ
ルフモニタリング、弁別、研究者による評価のフィードバックの内容で構成した。ランダム化比較デザインのもとベース
ライン期、介入期の4週間からなる実験計画を用いた。禁煙支援行動の頻度、行動尺度評価、検査データの変化、禁煙支
援評価項目尺度の満足度について介入群と対照群の群間比較を行った。1クール4週間の合計2クールの8週間からなる実施
とした。参加者は介入群10名、対照群11名であった。両群とも各期に自己評価を求め、アウトカム指標としたデータを収
集した。
結果:介入群において、介入により医療従事者の禁煙支援行動の頻度が有意に増加した。また、禁煙支援評価項目尺度の
満足度も有意に増加した.
結論:禁煙支援評価項目尺度は、医療従事者の禁煙支援の頻度を増加させる上で有効であり、禁煙行動尺度も有効であっ
た。今後、その効果を維持させるための仕組みを評価に組み入れる必要性が示唆された。