災害情報
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豪雨災害時の市町村災害対策本部の意思決定における情報処理の成功・失敗事例の分析及び対策に関する研究
髙梨 成子坂本 朗一
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2019 年 17 巻 2 号 p. 213-225

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抄録

近年、情報通信メディアの高度化・多様化が飛躍的に進んだことにより、情報量は爆発的に増大し、とりわけ豪雨災害時には、被災市町村では膨大な情報が交錯する。突然発生する地震災害に対し、風水害においては、被害の発生・拡大を抑止できる猶予時間(リードタイム)があるはずだが、地域の災害対策を担う市町村は、この重要な猶予時間帯を有効に活用できず、失敗するケースが多々見られる。市町村には、1)防災・気象関連情報や河川の水位情報の収集、2)避難情報発令の決定、3)気象警報や避難情報の住民や事業所等に対する伝達、4)住民や事業所、報道機関、防災関係機関等から短時間に爆発的に電話等による情報が集中し、業務が増大する。しかし、市町村の側では、高度化・多様化した情報の解析・予測能力等の不足や、災害時における外部からの情報圧への対処能力がないことが、失敗に陥る原因となっている。

そこで、本稿においては、市町村に責務のある災害時に住民等の生命を守るための避難情報の発令過程に焦点を当て、近年発生した豪雨災害から、市町村の情報処理過程の成功/失敗事例を実証的に分析し、情報処理(情報の扱い方)能力を高めるための対策を考察する。

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© 2019 日本災害情報学会
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