抄録
本研究では、実効性のある学校版避難確保計画の作成支援のために教員研修プログラム「地図を用いた災害リスクの理解と児童在校時の大雨での緊急避難場所を考える」を開発し、2022年度の石巻市第1回防災主任研修会で実施した。同研修を受講した防災主任が災害リスクと地形の関係を踏まえてハザードマップを理解し、大雨時に洪水と土砂災害がほぼ同時に発生する状況で学校外のどこを緊急避難場所として選択しようとするのか、その過程を明らかにした。結果からは、受講者は必ずしも学校周辺の災害リスクを踏まえて緊急避難場所を選択しないことが示され、研修の実効性を上げるための方策を考察した。