日本音響学会誌
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円形コンケーブ音源の放射音場
阿部 敏明山口 善一三井田 惇郎
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1987 年 43 巻 12 号 p. 941-946

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抄録

本論文は、凹面形剛円板による音波の反射理論を応用した、円形コンケーブ音源からの放射音場の理論解析を従来の近似に比べてより厳密な方法と近似解法との数値計算結果より比較・検討を行った。その結果は、音源の剛円板半径が音波の波長の10倍程度であれば、焦点付近の放射音場解析に関しては、近似解を十分適用可能であることが判明した。一方、凹面形円形板の曲率中心に点音源を置いたときの反射音場の状況について実験を行い、理論値との比較・検討を行った結果、曲率中心付近の音場の測定結果は理論値とよく一致した。よって、本研究における理論解析法は、コンケーブ音源の曲率中心付近の放射音場を求める有効な手法であると思われる。

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© 1987 一般社団法人 日本音響学会
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