配列した微小圧電素子群により細い超音波ビームを形成し、得られた反射信号により対象物体の形状を描出する超音波撮像装置は広く利用されている。この装置は通常、複数回の送受信を焦点距離を変えて行い、それぞれにより得られた信号の焦点位置近傍の部分のみをつなぎ合わせて高解像度画面を完成している。しかし高解像度化をこれ以上進めると、つなぎ合わせに要する超音波送受信回数が増大して撮像速度が低下する。そこで本論文は、広いビームを送波し受波を大口径により行う方式につき、まず構成と動作、次いで開口合成法により構成した試作装置による実験結果につき述べる。更に、高解像度装置による音速計測の可能性についても触れる