日本音響学会誌
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住民反応に基づいた自動車騒音の評価尺度の再構成とその有用性 : 長野市近郷を例として
降旗 建治柳沢 武三郎
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1988 年 44 巻 2 号 p. 108-115

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抄録

自動車交通騒音のうるささに関しては、従来から数多くの研究がある。その多くは、実験者があらかじめ定めた心理尺度を用いて検討されている。これに対して、ここでの心理尺度は、ある対象地域において、より多くの住民が自動車交通騒音の評価に対して日常よく用いている評価語の中から選定し、しかもL_<Aeq>との整合性のよいものを選定した。得られた評価尺度によれば、"気にならない"に対応するL_<Aeq>は40dB、"少しうるさい"は51dB、及び"うるさい"は62dBに相当している。更に、ここで得られた評価尺度を用いて、ある地域での等価騒音レベルの測定結果から、そこでの"うるささ"の程度が評価できること、またその逆にある地域での"うるささ"に関する調査結果から、そこでの等価騒音レベルが推定できることも確認している。

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© 1988 一般社団法人 日本音響学会
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