日本音響学会誌
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微粒子セルを用いた超音波位相共役波の発生とその応用
佐藤 拓宋片岡 洋海山越 芳樹
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1988 年 44 巻 2 号 p. 122-129

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抄録

位相共役波とは、もとの波面に対して複素振幅の位相項の符号が反転した波で、この波を用いるとレンズレスでの結像系や、音速が空間的に不均一な媒質を通しての精密な画像伝送系など多くの応用が考えられる。本論文では実用的な音響素子としての超音波位相共役波発生系を構成することを目的として、多数の微粒子を液体中に浮かべた微粒子セルを用いた新しい位相共役波の発生法を提案する。この方法は実時間ホログラフィの原理に基づくものであり高いS/Nでの位相共役波の発生が可能で、系の配置に対する制約も少ないという特徴がある。この方法の有効性を基礎的な実験により確認した後、位相共役波の一つの応用例を示した。

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© 1988 一般社団法人 日本音響学会
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