支持の可能な節部を持ち、中心に軸のないモータの実現を目的として、高さのやや高い円環状振動体(円筒)に着目し、理論計算及び実験的によりその振動モードに検討を加え、モータに適合する振動モードを選択すると共に、選択された振動モードを用いたモータを試作し、モータとしての基礎的な特性を検討した。その結果、1)円筒の振動モードの数値解析は妥当であるということ、2)適切なモードを選択し、その軸方向の高次モードの節部の部分を利用することで、振動体の支持が容易で中心軸なしのモータが実現できること、3)軸方向の伸縮振動の軸方向1次のモードはこれまでのモータと同様に円筒の底面から推力を取り出すことができ、また軸方向たわみ振動では内縁、あるいは外縁をロータとの接触面とする事でモータ動作が得られることが理論的に予測され、また実験により検証された。更に4)軸方向たわみ振動の軸方向1次のモードは、基準化周波数が低いので、特に小型のモータを構成できる可能性があることが明らかになった。