日本音響学会誌
Online ISSN : 2432-2040
Print ISSN : 0369-4232
マルチパルス駆動自己回帰過程からの全極型伝達関数と駆動パルス列の同時推定法
金井 浩安倍 正人牧野 正三城戸 健一
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1988 年 44 巻 7 号 p. 503-509

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抄録

自己回帰過程に線形予測分岐を適応する際、伝達系は全極モデル、それを駆動する信号は単位インパルスか白色雑音に制限される。しかし、例えば女性声音に対しては後者の条件が成立せず、マルチパルス系列が駆動入力となる。しかし、マルチパルス系列はスペクトルに零点を有するため、推定は極度に困難な問題となり、従来マルチパルス符号化法のような近似的方法が採られていた。本論文では、マルチパルス駆動の全極モデルの応答系列から、全極型システムと駆動マルチパルス系列を最適に推定するための定式化を提案し、シミュレーション実験によりその理論的有効性を確かめる。本手法は、音声合成、音声認識、機械振動の分析等への応用が期待できる。

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© 1988 一般社団法人 日本音響学会
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