本論文では、球面波が入射する場合の多角柱周囲の音場を理論と実験とによって検討した。単一のくさびによる回折波の表式を基礎に、多くのエッジによる多角柱周囲の回折波の一般式を示し、この式を用いて4角柱及び6角柱周囲の個々の多重回折波の影響を明らかにした。この結果を基に、多角柱周囲の音場の実際的な計算方法について検討した。実験では、3色の発光ダイオードを用いた音場の可視化方法により、多角柱モデル周囲の音場を詳細に測定した。音源の位置と周波数を変えた場合の、4角柱及び6角柱周囲の音場の計算結果はいずれも測定結果とよく一致する。これらの結果は用いた計算方法が実用上妥当な方法であることを示している。