日本音響学会誌
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ディレイドブロックコヒーレンス関数による伝達系の減衰係数の推定
小野 隆彦大橋 正尚前田 利重金井 浩
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1990 年 46 巻 3 号 p. 220-228

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抄録

本論文の目的は、分解能偏り誤差の大きさを定量的に評価すると共に、対象とする伝達系のインパルス応答の長さを決定する係数をSN比と無関係に推定することである。まず、分解能偏り誤差の発生原因である、出力側時間窓から漏れている入力信号と相関のある信号成分が、入出力間に時間遅れを持たせたコヒーレンス関数(本論文では、ディレイドブロックコヒーレンス関数と呼ぶ)で検出可能であることを示す。次に、入出力間の遅れ時間の増加に対する、その値の変化率から、対象とする伝達系の減衰係数が推定できることを示す。ディレイドブロックコヒーレンス関数は、計算量が少なく、しかも、外乱雑昔の影響を受けにくいという大きな特徴を持つ。

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© 1990 一般社団法人 日本音響学会
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