1991 年 47 巻 6 号 p. 386-396
聞き易い任意日本語文音声を合成する上で重要と考えられる「プロミネス」と呼ばれる文中の局所的強調の韻律的特徴の定性的解析を男女1名発声の合計172文音声を対象に行った。その結果、プロミネスは、数タイプのアクセント指令の変形、パワーの相対的増大、ポーズの挿入、音素持続時間の増大、の一つ、あるいは組み合わせにより実現されているという、枠組みが明らかになった。次にこの枠組みに基づき定量的解析を行い、種々のプロミネンスの韻律的特徴の存在を統計的検定により裏付けた。そして更に、プロミネンスの韻律制御パラメータの値を求め、プロミネンス生成規則作成のための指針を得た。