本研究は日常生活でのレベルの低い騒音を視点に入れ、低レベル音の精神作業への影響について社会心理実験により検討している。実験は2回行われ、精神作業には乱数発生テストを応用した。音は34〜45dBA in L_<eq>であった。低レベルの呈示音を被験者が騒音であると知覚する状況が一つの実験条件において成立していた。これらにより以下の結論を得た。成績維持には作業に人の注意が十分に配分されることが最も重要である。人が作業に注意を向けているとき、予期せず聞こえてくる不用意な低レベルの音は騒音と認知され、成績は量的には維持されるが質的維持が困難になる。存在意義が認められる音は騒音とは認知されず、達成動機を維持し成績を良化する傾向を持つ。