1992 年 48 巻 2 号 p. 87-95
音速が海面からの深さの関数としてbilinearな変化を示す海面ダクト内の音波伝搬について、モード理論、音線理論、及びハイブリッド音線・モード理論を用いて解析を行った。モード理論による解析解に数値を代入して計算した音場分布は、音線跡を参照することにより物理的に容易に理解できることを明らかにした。また、音源又は観測点のいずれか一方でも境界層外にある場合には、観測点に到達する音線を重畳した形の音線シリーズを用いて近似的に良好な結果が得られること、及び音源と観測点の両方が境界層内にある場合には音線理論に修正を施した形のハイブリッド音響・モード理論が有効であることを示した。