1993 年 49 巻 11 号 p. 763-774
離散的フーリエ変換(DFT)によって得られたスペクトル推定結果は、原信号に掛けられた窓関数の位置、長さ、形状に強く依存する。従来、様々な応用に対して多くの窓関数が提案されてきたが、これらの解析では、雑音の影響が考慮されていなかった。本論文では、様々な窓関数を用いて、正弦波にDFTを適用して得られた卓越周波数の推定値における推定誤差(偏り誤差と分散)を、任意のSN比(SNR)の下で理論的・定量的に評価するための方法を示す。この評価方法は、ノンパラメトリックなスペクトル推定が用いられる様々な応用分野へ適用することができる。