共通語アクセントの統計的分析結果を報告する。「日本語アクセント」辞典に収録されている約6万語に、語の構造を示す境界記号を付し、計算機に入力して、単語長別、語種別(和語、漢語、外来語等)、及び語構造別にアクセント型を集計した。従来より、語尾から3番目のモーラに核を置くアクセント型(逆3型)が頻度の高い型であることが知られていたが、こうした逆3型などの中高型アクセントは、語の複合によって生じていることを語構造とアクセントの分析結果から明らかにする。また、日本語の基本語彙を構成する4モーラ以下の語に関して、語種別に頻度の高いアクセント型を示し、短い語から長い複合語に至るアクセント型の変遷を考察する。