本論文は、従来の適応アルゴリズムの中で収束速度が最も速いRLSアルゴリズムに比べて、収束速度が2倍の、新しい適応アルゴリズム (ES-RLSアルゴリズム) を提案するものである。本論文では、RLSアルゴリズムに物理的意味付けを与えるカルマンフィルタに立ち返って検討し、音響エコー経路のインパルス応答の変化分が指数減衰する性質をRLSアルゴリズムに反映させて、本手法を導出した。更に、本手法は、筆者らが先に提案したES (NLMS) アルゴリズムおよびES射影アルゴリズムを包含する適応アルゴリズムであることを示した。