1994 年 50 巻 12 号 p. 977-985
信号交差点によって交通流が非定常となっている道路では、自動車の発生騒音パワーレベルは走行状態によって大きく変化するため、自動車専用道路に比べて道路交通騒音の予測は極めて難しい。そこで本研究では、定常交通流はもとより非定常交通流にも対応できる予測モデルの作成を目的として、交通流の変動を動的にシミュレートする手法と自動車のパワーレベルの変化を解析的に推定する手法を組み合わせた道路交通騒音の予測手法について検討した。そのうちパワーレベルの推定手法については前報(その1)で述べたが、本報(その2)では交通流の動的シミュレーション手法と道路交通騒音の予測手法について検討した結果を示す。まず交通流のシミュレーション手法としては、交通工学分野の既応のモデルを基本として車両の発生騒音に大きく影響する加速パターンを車種別に反映し、また信号交差点付近における交通流の特徴をよく反映するモデルに修正した。この交通流モデルとパワーレベルの推定モデルを組み合わせて信号交差点付近の道路交通騒音を計算し、実測値と比較した。その結果、L_<Aeq>やL_<50>を高い精度で予測できることが分かった。