1994 年 50 巻 3 号 p. 215-226
従来の騒音に関する社会調査は、調査項目や騒音の評価方法等が各調査で異なるため、調査結果を相互に比較することが困難である場合が多く、調査方法等の標準化が望まれる。本論文では、このうち航空機、列車、自動車等の騒音のうるささを評価するための標準的な評定尺度を構成するために、4〜7段階の4種類の単極尺度について三つの実験を行い、最適な尺度の段階数、各尺度値を表すのに適した言葉、更に構成された尺度の等間隔性などについて検討した。その結果、「全くうるさくない」、「少しうるさい」、「うるさい」、「かなりうるさい」、「非常にうるさい」という形容詞句からなる5段階尺度を騒音のうるささの標準的な評定尺度として提案した。