日本音響学会誌
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音像の定位と広がり感に関する先行音の優位性 : 信号の周波数帯域の影響と信号の立ち上がりの効果について
青木 茂明タモ ホウトガスト
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1994 年 50 巻 6 号 p. 425-432

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抄録

音像の定位感と広がり感に注目して、先行音の効果に関する3種の実験を行った。最初に3種類の雑音(オクターブ帯域雑音(fc:500,2,000Hz)、広帯域雑音(7kHz以下))を用いて信号の周波数帯域が先行音の優位性に及ぼす影響を調べた。2,000Hzのオクターブ帯域雑音を除いて、広がり感と定位感に関して同程度の先行音の優位性があることが分かった。次に500 Hzのオクターブ帯域雑音に対して先行音と後続音が知覚上均衡するとき、広帯域雑音の場合と同様に先行音の継続時間と後続音のレベル差との間にトレードオフの関係があることを確認した。最後に、広がり感に関する先行音の効果は、定位感の場合と同様に信号の立ち上がりによって後続音の両耳情報に対する感度が抑制されて生じることを明らかにした。

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© 1994 一般社団法人 日本音響学会
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