1994 年 50 巻 7 号 p. 521-528
人間の主観的判断に付随するあいまい性を考慮しながら物理的な遮音対策手法と心理的遮音評価との関連性を系統的に考察することを試みたものである。任意のパワースペクトル形状を持つ不規則変動遮音に対して遮音壁による物理的対策を施した場合を想定している。遮音壁設置後の透過遮音に対するパワースペクトル情報とレベル確率分布情報を用いて心理的印象に対するメンバシップ関数を推定し、人間の主観による心理的評価がどのように下されるかを予測している。予測結果と心理実験による実測データとの比較を行ったところ、両者のほぼ良い一致が認められた。