日本音響学会誌
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Print ISSN : 0369-4232
琉球方言の声門破裂音の音韻性
高良 富夫
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1995 年 51 巻 8 号 p. 599-605

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抄録

琉球方言の声門破裂音/?/の音韻性の要因について検討した。まず、声門破裂音の有(/?/)無(/'/) に関する最小対立語について、ホルマント周波数を比較した。その結果、F_1ローカスの高低により区別できる対立語があることを明らかにした。次に、合成音声の聴取実験により、基本周波数、スペクトル、パワーの各時間パターンの音韻性弁別に対する寄与を比較した。その結果、この順で寄与が大きいこと、及びF_1ローカスでは区別が困難な音節は、基本周波数の時間パターンにより識別されることを明らかにした。最後に、基本周波数パターンの立ち上がり遷移区間長における音韻弁別の域値が、約50msであることを明らかにした。

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© 1995 一般社団法人 日本音響学会
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