日本音響学会誌
Online ISSN : 2432-2040
Print ISSN : 0369-4232
膜吸音材の特性改善
古賀 正輔
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1996 年 52 巻 2 号 p. 92-98

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抄録

従来, 膜吸音材は吸音率がピーク値でも30%程度と低かったため, 広く用いられることはなかった。等価電気回路を導入して膜吸音材の特性を検討し, 膜と支持材との接触面を増して抵抗値の増大を図ることが, 吸音特性の改善をもたらすことが分かった。メッシュサイズの違う2枚の平坦なエキスパンドメタルで, 適度に柔軟な樹脂膜を挟むことにより, 最適の抵抗値が得られ, 吸音特性は大幅に改善された。膜と空気層を複層化し, 共振点を適切に組み合わせることにより, 更に広い周波数範囲で吸音特性が改善された。膜吸音材の開発によって, 透光性や水密性, 気密性を保った吸音処理を施すことが可能となった。

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© 1996 一般社団法人 日本音響学会
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