日本音響学会誌
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単母音の話者識別に寄与するスペクトル包絡成分
北村 達也赤木 正人
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1997 年 53 巻 3 号 p. 185-191

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抄録

単母音のスペクトル包絡において個人性が顕著に現れる帯域とその帯域において話者識別に寄与する成分についての検討を行った。スペクトル包絡の特定の帯域を変形させた刺激音を用いた聴覚実験により, スペクトル包絡の変形と個人性知覚との定量的な関係を求めた。その結果, 以下のことが明らかになった。(1)個人性はスペクトル包絡全体に現れるが, 高域により多く現れる。(2)話者識別にはスペクトル包絡のdipよりもpeakが重要な意味を持っている。(3)個人性は音韻によらずスペクトル包絡の20 ERB rate (1,740Hz)付近に存在するpeak以上の帯域に顕著に現れる可能性が高く, この帯域を利用して話者変換が可能である。(4)この帯域のpeakを3角形で近似しても個人性が保存される。

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© 1997 一般社団法人 日本音響学会
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