抄録
調音器官の位置と声道スペクトルに関するデータ対を用いて調音・音響対コードブックを作成し, 入力された調音位置に対応する声道スペクトルをコードブック検索に基づいて推定する方法を検討した。また, 調音位置から識別した音素の種類とコードブックに付与された音素ラベルを比較し, コードベクトルの予備選択を行う方法を用いた。約5分間の調音観測データを用いた実験の結果, 調音位置から推定されたスペクトルの歪はコードベクトルの予備選択なしの場合2.24 dB, ありの場合2.27 dBとなった。また, 推定スペクトルを用いた合成音声の聴取実験の結果, コードベクトルの予備選択によって合成音の品質が向上することが示された。