関西国際空港の開港を契機に大阪空港の周辺でアンケート調査を実施した。その結果,住民が主に運航回数の減少による航空機騒音の低減(2.6〜5.0dB下がった)をはっきり認識していることが分かった。しかし,近隣の静けさを5,10年前と比較させた結果には明確な傾向は見られなかった。次に,この調査結果を航空公害防止協会が1973年に実施した調査の結果と比較したところ近隣の静けさに関する住民反応は航空機騒普暴露が同じ程度の地域での結果と近く,同一地域での結果を見比べると反応の割合が低くなっており,長年にわたる航空機騒音の低減が反応緩和に寄与していると推測された。しかし,航空機騒音のうるささに関する住民反応については,航空機騒音暴露が同じところで比較して,1996年の方が幾分高くなっていると推測された。