日本音響学会誌
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蝸牛神経核細胞の機能モデルの提案 : 前腹側核細胞の応答特性
牧 勝弘赤木 正人廣田 薫
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2000 年 56 巻 7 号 p. 457-466

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抄録

蝸牛神経核腹側核(VCN)細胞の神経発火機構について機能モデル化を行い, 前腹側核細胞の多様な電気生理学的応答を神経発火レベルで容易に模擬可能なパラメータ数の少ない機能モデルを提案する。AVCNの電気生理学的応答に基づいて, BlackburnとSachs(1989)により詳細な条件で分類された, primary-like型(2通り), primary-like-with-notch型(1通り), sustained-chopper型(2通り), transient-chopper型(2通り), onset型(3通り)の全5種類10通りの応答型と, それぞれの応答型の発火遅延特性と位相固定性を, 提案モデルが, そのパラメータ調整により定量的に模擬可能であることを確認し, VCNの機能解明への応用可能性を示す。

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© 2000 一般社団法人 日本音響学会
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