2001 年 57 巻 8 号 p. 502-508
本論文ではマイクロホンプローブ自身が音場に与える影響について境界要素法を用いて解析している。マイクロホンプローブのモデルとした円筒の周りの音場を解析し, 受音面に作用する平均音圧の位相を波数で除した値である「実効受音位置」Spが, 周波数, 入射角度によってどのように変化するかを計算している。その結果,実効受音位置は低周波数ではほぼ一定の値をとり, その値は入射角度の余弦に比例することなどを明らかにしている。更に, 反射波が存在する音場については, 平均音圧の絶対値に基づく「実効受音位置」Smを新たに定義し,位相に基づく「実効受音位置」Spとの関係を明らかにしている。