2002 年 58 巻 9 号 p. 569-578
[要旨]音声認識技術,特に不特定話者を対象とした音声認識技術を研究開発するためには,地域や年齢に関してより多くの音声を収録することが重要となる。本稿では,当研究所にて収録した3,700人規模のデータベースについて,その概要を述べると共に,本データべースの分析を通して,地域・年齢の違いによる音響的特徴の違いや,その認識率への影響を調査した結果をまとめる。また,本データべースを用いて構築した音響モデルの性能評価を行うことで,学習データ量と音響モデルの性能の関係を調べると共に,音声認識技術開発における本データべースの有効性を検証する。