2002 年 59 巻 1 号 p. 23-31
NHKでは,これまでに計11室のマルチチャネルコントロールルームを整備してきた。整備にあたっては,放送伝送系への適合を基本に映画音響などとの互換性をも考慮し,広い視野からマルチチャネルに取り組んできた。また,音声だけにとどまらず,ハイビジョンの大画面などの"映像と音響の相乗効果"についても,番組制作と建築音響設計法の両面から研究開発を行ってきた。これらの成果をマルチチャネルコントロールルームの技術基準としてまとめ,AESのTECHNICAL DOCUMENTの中にも,この基準が採用されている。マルチチャネル方式の概要,コントロールルームの技術基準,音響設計の考え方及びその具体例を紹介する。