日本音響学会誌
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Print ISSN : 0369-4232
膜・薄板を有する室内の音響振動連成解析手法
鮫島 俊哉
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2003 年 59 巻 6 号 p. 316-327

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抄録

本論文では,張力の架かった膜,あるいは薄い弾性板を内部に有する室内音場の音響振動連成系としての厳密な解析手法として,固有関数展開に基づく方法を導出する。この方法は,音場の固有関数による展開表現と,膜・弾性板に関する振動方程式の固有関数展開に基づく解析解を,積分方程式を利用して連成されることにより,音場の固有関数による展開係数に関するマトリクス方程式に帰着させるものであり,陽な形式では解は記述できないものの,高精度の解析解が得られるものである。計算例として,膜を天井から吊り下げた室内の音場における周波数応答関数を示す。膜の面密度を変化させた場合について,計算値と実測値はよく一致することを示す。

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© 2003 一般社団法人 日本音響学会
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