日本音響学会誌
Online ISSN : 2432-2040
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境界音場制御の原理を用いた収音範囲の局所化を実現するマイクロホンシステムの提案
榎本 成悟伊勢 史郎
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2005 年 61 巻 9 号 p. 516-523

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抄録

境界音場制御の原理を用いて空間内の局所的な領域の信号だけを受音するマイクロホンシステムを設計する方法について提案する。境界音場制御の原理によれば, ある音源から出力される音響エネルギーの流れを空間内の任意の位置の境界面で反射することができる。このような境界面をスピーカの周囲に設置すれば, スピーカから出力された信号は境界面の外側へは出力されず, スピーカの周囲の局所的な範囲を可聴領域とするスピーカシステムを構築することができる。この理論に相反則を適用すれば, 境界外部に存在する音源に対しては感度を持たず, マイクロホンの周囲の局所的な範囲の信号を収音するマイクロホンシステムを実現することができる。本論文では, 数値計算により提案するマイクロホンシステムがマイクロホンからわずかに離れるだけで急峻に減衰する感度特性を持つことを確認した。また, 無響室で実測したインパルス応答を用いた実験により, 素子数4の等間隔直線マイクロホンアレーで構築したシステムの制御の効果を確認した。

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© 2005 一般社団法人 日本音響学会
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