2006 年 62 巻 10 号 p. 709-717
本論文では,超音波イメージングシステムによる劣化した画像を改善する手法を提供する。劣化した超音波3次元画像を再構成するために,後処理として可視層の構造を改良した自己想起型ボルツマンマシンを使用した。ボルツマンマシンを用いる利点としては多層パーセプトロンに比して学習データの簡易化が図れ,更にアニーリングを用いているのでローカルミニマムに陥るという欠点が解消され再構成確度の向上が期待できるからである。ネットワークの改良点としては3次元画像の高さ情報に対応させるためにボルツマンマシンの可視層を4分割したネットワーク構成にしている。実験の結果として,従来の研究と比べて再構成成功率は格段に向上した。